センター概要

センター長挨拶

センター長 細井義夫

私は、福島原発事故発生時に、国の三次被ばく医療機関である広島大学 原爆放射線医科学研究所 放射線医療開発研究分野 教授として放射線生物学の研究の他に緊急被ばく医療を担当しておりました。このため福島原発事故時には、国の最初の緊急被ばく医療チームとして放射線医学総合研究所の職員と共に福島に派遣され、急性期の被ばく医療に携わりました。その後は、原子力規制委員会・規制庁で被ばく医療に関する委員会の委員を務め、新たな緊急被ばく医療体制の構築に関わってきました。

福島県南相馬市渡辺病院
2011年3月14日福島県南相馬市

講義内容の作成にあたっては、①放射線生物学の部分はEric J. HallらによるRadiobiology for the Radiologistに準拠し、②放射線リスクコミュニケーションの部分はアメリカ合衆国疾病管理予防センター(Center for Disease Control and Prevention; CDC)、WHO、文部科学省・厚生労働省の出版物・報告書等に準拠し、③放射線災害医療の部分は、アメリカとヨーロッパの被ばく医療マニュアルに準拠しました。
さらに、講義内容の妥当性・客観性を担保するために、放射線科専門医試験、放射線科認定医試験、診療放射線技師国家試験、医学物理士試験等の過去10年分の内容を解析し、それらの内容を包含すること、および、全国の放射線の専門家による会議(医学科講義内容検討委員会及び緊急被ばく医療資料検討委員会)で講義内容の検証を受けることにより、誤りや偏りがないようにしております。なお、講義の内容の作成にあたっては、放射線治療専門医としての知識・経験を生かして、臨床医にとって役に立つ内容のものになるように努めました。

正しい放射線健康リスク教育が広く行われることが私の願いです。

放射線健康リスク科学教育センター長 細井 義夫